きらりと、儚く

忘れないよずっと

映画『燃えよ剣』 山田涼介と沖田総司によせて

映画『燃えよ剣』を観てきました。

思えば、JUMPのために外へ出るという行為がPARADE以来な気がして、新しい服を2着卸し胸を躍らせて家を出ました。

 

Twitterを見ていると、この作品に対する評価はかなり良くて、私自身 歴史は苦手で時代劇も大河ドラマもなかなかハマるものがなく…。必殺仕事人を知念くん目的で見たり、ファンタジー要素のある信長協奏曲にどハマりしたりはあったけど、こんながっつり時代ものの映画は初めてで、正直約2時間半も耐えられるだろうかという心配がありました(笑)

 

原作は司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』で、おそらく原作ファンも大勢いるのだと思います。朝イチの映画館ということで、母数自体が少なかったけれど、私の列はサラリーマンのおじさましかいなかった。おじさまたちの列のど真ん中を陣取る20代女、ちょっと恥ずかしかった。

 

 

山田くん演じる沖田総司は、名前は知っていたものの正直どんな人かは知りませんでした。新撰組というワードから荒っぽくて強い人なのかな〜なんて小学生みたいなイメージしか持っていなかった。

実際にスクリーンに映る沖田総司は、想像以上にフラットで優しい柔らかい雰囲気を感じました。なんとなく山田くんにぴったりな役柄に思って見ていました。

 

ワイドショーを見て、撮影のスケジュール上 減量と増量を繰り返していたことは知っていました。(沖田総司は肺結核を患っており、映画ではだんだんとやせ細っていく。しかし撮影は時系列のままには行かず、まだ元気な沖田総司と死が近い沖田総司を繰り返しつくっていた。過酷極まりない)だから、終盤のシーンはふと、沖田総司を演じる山田涼介を思い出すことがありました。

 

土方歳三沖田総司の愛とも絆とも表現できない…血の繋がりを超えた…なんていうんだっけこういうの……

とにかく、熱かった。2人が熱かった。

 

そもそもこの映画、新撰組のダイジェストみたいな、展開が早くて情報が膨大で、初見殺しってまさにこのこと。映画が終わった後に、「よくこれを2時間半に収めようと思ったな」と感心するような会話が聞こえて、心の中で首がもげるほど頷いた。めちゃくちゃ集中して台詞を聞いたし、1秒たりとも逃さぬよう目薬片手にスクリーンを見つめた。こんな映画初めて。山田くんが出ていなかったらここまで気合いを入れることはできなかったと思う。

 

しかも、本当にたくさんの人を使っていてエンドロールの文字数がやばい。松本洸平さんでさえちょい役になっていた。そんなものすごくたくさんの人が名を連ねるエンドロールの中で4番目に出てきた「山田涼介」。

大きい、と思った。

Hey!Say!JUMPの山田涼介が大きすぎる。

感動した。胸が熱くなった。

 

 

 

 

そんなこんなで、すっかり見入ってしまった2時間半だったけど、なにせ基礎知識がないものだから感想が上手く出てこない。

 

そこでこれ。

燃えよ剣を観に行ったら読むんだ!とブックマークしていたもの。読んで見たら想像以上で、学びや気づきと同時に感動してしまった。今日はこのブログを元に、今日の日を書き残しておこうと思います。

引用することになると思うので紹介させていただいたのですが、ブログの文章レベルが高すぎるので、もし著者さんが私の記事に辿り着いてしまったらそっとページを閉じてください…薄っぺらすぎるので…そもそも山田担ではなくて…

 

まず大正解だったなと思うのは、このブログを映画を見た後に読んだことです。私は歴史が苦手なので、映画を見たことでキャラクターやストーリーが想像できる状態で読めたことがとても良かったなと。

 

私が、沖田総司について一番驚いたのは命の短さでした。先に述べたように沖田総司は肺結核により亡くなっています。明確な生年月日が分からないため、享年は24歳説、25歳説、27歳説がある模様。いずれにしても若すぎる。

この若さで亡くなったということは、作中でまだ元気な姿を見せているシーンは20歳くらい。とにかくブログを読めば全て分かるのですが、キーワードを書き出すと

新撰組においての立場は「一番隊組長」

・剣城の天才、三段突き

・品の良さ、清潔さをも兼ね備える

・可愛い

・人たらし(彼を本気で嫌う人は作中にはいない)

・恐ろしく勘が鋭い

・忠誠心の強さ

・女性にはシャイ、ピュア

 

 

惚れてまう。

 

 

何度でも言いますが、土方歳三沖田総司は本当に仲良しで、鬼の副長である土方歳三沖田総司といる時は柔らかい気がしたんですよね。

土方歳三がお雪を想う詩を描いた時に、沖田総司がその紙を取って読み上げて、土方はおいかけ、沖田は逃げ……ってもう砂浜でおいかけっこする恋人のようで、めちゃくちゃかわいいシーンだった。あとは、何のくだりか忘れてしまったのですが(おい)、「お前は本当に優しいな」と弱っている沖田総司に寄り添うように、土方歳三沖田総司の隣に寝転ぶシーンも好き。2人きりでいる時の空気感は、誰も入り込む隙がないほどに愛おしいものでした。

 

また、沖田総司に想いを寄せる糸里はオリジナルの設定のようですが、私は結構好きでした。めちゃくちゃニュアンスなんですが、「京の女は軽いかもしれないけど、それも男性次第だと思いますよ」的な台詞があって、糸里は沖田総司のことを本当に想っているんだろうなと思いました。沖田総司が人として素晴らしいからこそ、糸里はちゃんと好きになることができたんじゃないかなと。沖田総司は糸里のことをどう思っていたのかは分からないけど、糸里は恋をしていた というより 愛だったように思います。

 

最期まで土方歳三近藤勇からブレることなく慕い追いかけ続けた沖田総司は、近藤勇の死を知ったのち、誰にも気付かれずに一人で亡くなっていったようです。亡くなる頃のシーンでは、やせ細った体で刀を握り、猫を睨みつける彼がいました。やるせなかったと思う。もっと刀を握って、土方歳三の隣にいたかっただろうな。

 

 

全体として、仕方ないのかもしれないですが やはり女性の立場は弱いなというのは終始感じていました。しかし、先に紹介したブログを読んで、こういう考え方もあるのだと発見したような気持ちになりました。

やはり歴史というものは、男と女の両方が絡まり合って紡ぎ出すものなんですね。司馬先生の作品を読んでいると、女性たちは男たちに翻弄されたほんの付属品のような気もしてくるのですが、実際のところ豪胆な剣士たちの肝を握り締めているのは彼女たちなのかもしれません。

もしかしたら、男性が力を握っているようで、実は女性の手のひらに転がされているのかもしれないとちょっと思ったり。

 

彼は確かに、幼い頃に両親を亡くし、貧乏暮らしも経験して、家にもなんとなく居場所が無くなるという、いわゆる"不遇な"子供時代を送ったかもしれません。それでも、"不幸"ではない。彼にとっては、木々のざわめきや小鳥のさえずり、道場で剣が擦れ合う鋭い音、隊士同士のくだらない小競り合い、土方さんが皆に隠れて紙に筆を走らせる姿、それらすべてが儚く美しく、愛おしく、おもしろいものだった。

沖田が自分の喀血をよける、そんな描写は原作には一切無いんですよ。だから思いも寄らなかったけど、言われてみれば、本物の沖田なら確かにそうするだろうと思った。当時の山田くんは死ぬほど忙しい時期だったし、沖田総司だけに割ける時間もそれほど無かっただろうに、そこまで、まさに想像の先の向こう岸まで、山田くんはたどり着いている。もう、彼は沖田に憑依されているんだと思う。

 

沖田総司、深い。

沖田総司が山田涼介で良かった。

山田涼介が沖田総司で良かった。

 

時代劇も殺陣も初挑戦の山田くん。しかも、超ベテラン揃いの原田組に入るという大きなプレッシャーの中で体を張って演じた沖田総司という役を、このような気持ちで見届けることができて本当に嬉しい。キャラクターやその背景について、なかなかここまで深く考えたことがなかったから。

大袈裟かもしれないけど、このブログを読めて良かったなってすごく思います。

 

今、一番好きな歴史上の人物を聞かれたら沖田総司と答えてしまいそう。歴史が苦手だからこそ、今は沖田総司についてが一番語れる気がする。

 

薄っぺらな感想だけど、おもしろかった。

 

何はともあれ、無事に公開まで辿り着けたこと、本当に良かったです。来年になったら地上波で放送するかな…?また見たら違う感じ方になるんだろうな。

 

 

時代ものの楽しみ方

映画の楽しみ方

ファンというものの役目

山田涼介の大きさ

なんだか様々なことを学んだ映画でした。

 

山田くん、本当にお疲れさまでした。

 

 

Twitterで「燃えよ剣 山田涼介」で検索すると溢れんばかりの賞賛の声で、胸がいっぱいになる。山田くん、どうかこれだけはエゴサしてください!!!「司馬遼太郎沖田総司そのもの」「沖田総司の生まれ変わりは山田涼介だった」「主役を食う勢い」「素晴らしいとしか言えない」ってもう絶賛の嵐。

 

すごいなあ…

 

すごいや…

 

 

 

まだまだ余韻が大きくて締め方がわからないけど、私的 映画『燃えよ剣』これにておしまい。

 

 

沖田総司のスピンオフ待ってます!